父母報恩寺の「謎の獣」の彫り物

前回のお寺本堂の「禅宗様+他の様式」からの続き。
下に示した彫り物が何であるか?
自分の考えでは伝説の龍の9匹の子供のうちの1獣と思う。
まず下記にウィキペディアの「竜生九子(りゅうせいきゅうし)」を載せる。

 

 

 

ウィキペディア「竜生九子」
竜生九子(りゅうせいきゅうし)とは、中国の伝説上の生物で、竜が生んだ九匹の子を指す。それぞれ姿形も性格も異なっている。各々の性格に合わせた場所で各々の活躍を見せるが、親である竜になることはできなかったという。これを「竜生九子不成竜」と言う。また、兄弟でも性格が違う事を指してこの言葉を用いる事もある。
竜生九子という言葉は古くからあったが、生んだ子がどのようなものだったのかはずっと語られなかった。明の時代になりさまざまな書物に記載されるようになったが、記載されている書物によって名前・順序が異なる。

 

『升庵外集』の説
『升庵外集』(楊慎, 1488–1559)と『天禄識余』の説によれば、次の9匹。


1.贔屓(ひき) 形状は亀に似ている。重きを負うことを好む。
2.螭吻(ちふん) 形状は獣に似ている。遠きを望むことを好む。
3.蒲牢(ほろう) 形状は竜に似ている。吼えることを好む。
4.狴犴(へいかん) 形状は虎に似ている。力を好む。
5.饕餮(とうてつ) 形状は獣に似ている。飲食を好む。
6.𧈢𧏡(はか) 形状は魚に似ている。水を好む。
7.睚眦(がいさい) 形状は竜に似ている。殺すことを好む。
8.狻猊(さんげい) 形状は獅子に似ている。煙や火を好む。
9.椒図(椒圖、しょうず) 形状は貝にも蛙にも似ている。閉じることを好む。

 

 

特徴を見ていくと形状は虎に似ているという「狴犴(へいかん)」が一番良く該当する気がする。
要するに「獣」と言うより「虎」という言い方が画像と一致する気がする。

そこで狴犴(へいかん)を調べた。
これら情報は中国サイトに多い。


あっ!、アニメ仕様だった!
一応「狴犴(へいかん)」。

 

獄房(罪人のろうや入口に付けるお守り?) 顔がひょうきん?

 

こちらは鬼の形相!

 

ウロコを書いたもので木彫りと一致

 

これも監獄?

 

こんなものも

 

ウロコをきちんと再現してある

 

こんなものも

 

これなら飼えるかも? ヒョウ?

 

 

 

はて?
子供から大人の獣にどう変化したかは不明。
(子供の頃だけ)角が無く耳だけ?
口の上からの2本の牙が出ているのが特徴。
「狴犴(へいかん)」としか思えないが。
彫り師は何か根拠を持って真面目に彫ったハズなのだ。
これと同じものはネットで探しても1件も無いのだ。
もしかして「国宝級」?
大事にしてもらいたいものだ。