非常時のために蒸留水を作る練習?

非常時には何があるか判らない。
最低限、食糧や水の確保が必要だろう。
特に水があれば何日かしのげるかもしれない。
飲み水を確保するにも、それなりの道具が残っていればという事にはなる。

自分が用意する物は、

①やかん2つ 笛吹で無いものでステンレスが理想
②シリコンチューブ内径15mm 長さ30㎝~100㎝
③保存ビン やかんに入る程度のもので蓋付き、外回りがきれいなもの
④プラスチックたらい やかんを入れられる程度の大きさ

 

コメリに行き材料を買う。
まず、ステンレスやかん2.5ℓ2個(1,480円×2)。

 

 

2つのやかんは口と口をシリコンチューブ15×20(内径15mm外径20mm 、1mで1,980円と高い!)で繋ぐ。
シリコンチューブを使うのは熱に強い(180°ぐらいまで耐える)からである。
シリコンチューブは30㎝ぐらいに切って使った。(残り70㎝)

右側のやかんに原水(海水、川の水、湧き水、湖水など)を入れ火にかけて沸かす。
やかんの原水の量はやかん内部の注ぎ口の小穴がある位置の半分くらいまでになる。
小穴が全部塞がる位置までは使えない。
やかんの口から蒸気がたくさん出ることが条件である。

 

口に付けた内径15mmシリコンチューブはいい感じにきつい!
なかなか外れないと思う。

 

 

蒸留水を作るために広口ガラス瓶をきれいに洗って、中には右のやかんと同じ原水を入れて蓋をしっかり閉め、左のやかんの中に入れるだけ。
原水の冷たさでガラス瓶の外周に出来る水滴がやかんに溜まる仕掛け。
ある程度ぬるくなったら瓶の水を変える。

 

 

もう一つの方法は、下のように大きな「たらい」の様なものに原水を張って、やかんごと入れて冷やすという手もある。
やかんの内側に水滴が付くのでそれがやかんに溜まるというもの。
ただしやかんが水に浮くので重石を何らかの方法でかける必要がある。
先のガラスビン方式と一緒にすれば重石になり一石二鳥。
この方式だと、たらいに原水の冷たい水をいつでも足せるので楽ではある。

 

 

 

● 工 作 費 用 ●


ステンレスやかん2個(1,480円×2)=2,960円
シリコンチューブ15×20 内径15mm外径20mm 1,980円 (1mのうち30㎝使用)
ガラス瓶 在庫
プラたらい 在庫
アルミテープ 在庫
合計 4,940円
  ・・・工作というほどのものは一切無い!シリコンチューブを切って繋ぐだけ。

 

 

●ネットにある「蒸留水をご家庭で作る方法」


1.鍋に水道水を入れ、ガラスなどのボウルを浮かべる。
2.鍋の上に蓋を裏向きにのせる。
3.蓋の上に氷をのせ、火にかけたら鍋の中のお水を沸騰させる。
4.蓋についた水滴がガラスボウルの中に溜まっていく。
5.必要量が取れたら、別の保存容器に移し替えて完成。

 

安上がりでいいんだが3つ問題がある。


①非常時に使うとなると氷は手に入らない可能性大。
②同じ鍋内に「原水」と「蒸留水」が同居していて、何か間違うと混ざってしまう危険性がある。下手に触れない。
③蓋を逆さにするというが、蓋の取っ手はそのまま使うのか? 取っ手をきれいにする?

 

 

 

■ 実際の稼働実験

 

大きな「たらい」の様なものに原水を張って、やかんごと入れて冷やすという手をやってみた。
重石は「トンカチ」。
火は石油コンロ(いや石油ストーブ)でやってみた。

 

 

シリコンチューブ内も水滴だらけ。
左側のやかんも熱くなり蓋の2穴から湯気が少し出ている。

 

 

途中経過を見てみる。
大分溜まっている。

 

 

1時間ほどコトコト沸騰させた結果、コップ一杯の蒸留水が採れた。
飲んでみたが・・・「まずい! 何か薬品っぽい味がする?」
ステンレスやかんもシリコンチューブもまだ新しいので少し使い続けると変わって来るかも?

 

 

今回の実験で「やり方は問題なし」と結果が出た。
太いシリコンチューブを使ったので蒸気抵抗もほとんどなくスムーズに移動していた。
暇をみて今度は焚火でやってみようかと思っている。
なお今回使ったステンレスやかんだが、蓋が何の引っ掛かりも無くスポッと置いただけの様な緩い感じ。
しかし実際に使って沸騰で蓋がバタバタするとかも無くこのままで行けるようだ。
一時はシリコンバンドを使うか? と考えたが必要ないようだ。
あなたもお試しあれ。